理事長所信
今こそ、動くとき
~個性が輝き、彩り溢れる西宮を創ろう~
はじめに
「あなたが住むまちの大切な道が、巨大な倒木によって寸断されたとき、あなたならどうしますか。」
誰かが倒木を撤去するのを群衆に紛れて待っているか。それとも、まちの人々のために持てるだけの英知を結集して、勇気をもって立ち向かい、その情熱に共感した行政や人々を巻き込みながら、倒木の撤去を果たすべく運動を展開するか。
私たちは、後者であり続けたい思う会員の集まりです。これが私たちの本質です。行政や他の誰かに指示されるものでもなければ、労働や苦役と感じてすることでもありません。様々なフィールドで活躍する私たちの一人ひとりが、自身の輝く個性を活かして、まちのための運動の起点となるのです。
西宮青年会議所は終戦間もない1950年に設立され、その設立趣意書には、「新日本の再建と世界平和を守ること」は私たちの責務であり、「地方産業と文化の育成の上に青年の知恵と決断とが大きな素因となって公共社会に寄与することを信じるものである」と明記されています。設立から73年にわたり、この創始の想いは、確実に西宮の地において紡がれてきました。西宮の今を享受する私たちは、先輩諸氏のひとかたならぬ尽力の恩恵にあずかっているのです。
西宮のまちは、人口減少及び高齢化の進行に関連する様々な社会課題を抱えています。現在48万人台を推移している人口も、2028年には47万人台に突入し、さらに2030年以降は高齢化率が急速に上昇すると予測されています。加えて、⾧きにわたる自粛を経験したことで、社会における価値観は変容を見せています。無思慮に自粛前の世界をあるべき姿と位置付けるのではなく、本来の目的に立ち返り、本質を見極めることが常に求められています。そのような今であるからこそ、私たちは、青年として、西宮における社会課題という“倒木”に勇気をもって自ら積極的に歩み出て、果敢に立ち向かおうではありませんか。
そして、西宮青年会議所の会員一人ひとりが、自身の持つ輝く個性を特色として活かし、青年会議所運動や活動を通して、彩り溢れる西宮を共に創りましょう。
会員拡大~輝く個性を生かした全員拡大~
会員拡大は、青年会議所の運動そのものであると言えます。私たちの理念に共感し、会員として共に運動を創りたいと考える同志を迎えることは、私たちの運動の幅を更に広げ、よりまちに運動の効果を波及させることができ、明るい豊かな社会の実現に近づくものとなります。会員一人ひとりが、役職や所属委員会を問わず、会員拡大の担い手であるという自覚を持ち、あらゆる局面において、各自の持つ個性を生かして相互を補完することで、西宮が掲げてきた「全員拡大」を用いて会員拡大を達成します。様々なフィールドで活躍する会員一人が有するスキルや人脈を、会員拡大における各場面、すなわち、対象となりうる候補者の発掘・紹介の場面、交流会等での交流の場面、入会に向けた面談等の場面において効果的に活用することで、会員全員が会員拡大に貢献し合う状況を創り出します。いつも誰かがどこかで、何らかの会員拡大に向けた活動を行っているという環境のもと、自らに期待された役割を理解し、実践することで、会員一人ひとりが会員拡大における能動的な当事者としての意識を持ち続け、さらなる会員拡大に向けた好循環を生み出します。
会員拡大を行うためには、対象者に対し、私たちが何者であり、私たちのことをどのように認知してもらいたいのかを、育成の機会を活かして、私たち自身が明確にしておく必要があります。青年会議所の運動や活動を知らない拡大対象者に、会員拡大の担い手である会員一人ひとりが、少なくとも「青年会議所とはどのような団体なのか」、「なぜ私は青年会議所に入会しているのか」の問いに対して答えを持っており、自分の言葉で説明できなければなりません。そのためには、会員一人ひとりが、育成に対する意識に重きを置いて、青年会議所の活動や運動に向き合い、自分の人生における青年会議所活動の位置づけについて思案することが必要です。
青年会議所運動を一言で表現するとすれば、社会の課題を解決することで持続可能な地域を創ることです。冒頭の“倒木”が指す実際の社会課題は、それ自体が多様な価値観の中で生じたものであり、その背景となる原因や解決手法を深く探求するためには、単一ではなく多様な価値観に基づく複数の観点を持つべきです。また私たちの理念に共感し、共に運動を創りたいと考える同志に、性別や人種は関係ありません。そこで、多種多様な人財が集まりやすいように、拡大対象者に参加してもらう機会について、これまでの平日夜間の飲食をメインとした形式に囚われることなく、休日や朝・昼間といった時間帯での開催や、セミナーやアクティビティー形式等の選択肢を増やす取り組みを行います。
本年度は、必達目標として4月までに25名の個性輝く新会員を迎えます。また、5月以降も会員拡大は継続して行い、本年度中に10名を目安に新会員候補者の確保を行います。
会員の育成研修~一人ひとりが輝くため~
まず、会員の育成は、全ての会員、特に新会員にとって、青年会議所の運動や活動の意義を理解し、成⾧と発展をし続けるために必要不可欠なものです。「青年会議所とはどのような団体なのか」、そして「なぜ私はそのような青年会議所に入会しているのか」の問いに対して、会員の誰もが自分の言葉で説明できることを目指します。前者は会としての目的、後者は個人としての目的であり、後者は当該会員のバックグラウンドや活躍するフィールド、仕事でのステージ等によって異なり、同じであり続けることはありません。すなわち、育成は、青年会議所活動を自分の人生においてどのように位置づけるかを考え、更なる目的意識をもって次の行動に移すための原動力となるものです。ただし、青年会議所は、何か直接的な利益やノウハウを与えてくれるのではなく、あくまでも発展と成⾧の機会が与えられるに過ぎません。海外留学やジムなどにも例えられますが、自ら行動し、汗をかいて経験をすることではじめて、その会員にとってかけがえのない何かを得ることができ、自分の人生において有意義なものとなります。汗をかいた経験を積み重ね、会員一人ひとりが青年会議所活動の意義を見出すことが必要なのです。
次に、会員の研修として、私たちは、社会の課題を解決する運動を展開する青年の集まりとして、リーダーとしての資質を持ち続け、知識や教養を常にアップグレードする努力を絶やしてはなりません。昨今、先行きが不透明で将来の予測が困難な状態にあると言われる中、時代や社会情勢に流されることのない普遍的なリーダーシップを追求する必要があります。
そこで本年度は、リーダーシップを研修の対象とし、リーダーシップの意義や目的、必要とされる能力を理解し、西宮の未来を創るリーダーとしての意識を醸成する機会を提供することで、青年会議所の運動や活動の中でリーダーシップを体現することにつなげます。リーダーシップを身に付けた会員は、能動的な当事者として、各人が属する職場や地域において、人々を導きながら変化する情勢に臨機応変に対応し、良い方向に導く起点となります。
まちづくり~西宮ならではの彩り~
西宮は、六甲山麓や甲山、桜並木といった自然、海辺のヨットハーバー、歴史ある神社仏閣、「阪神間モダニズム」と称される建造物、文化芸術やスポーツ施設、複数の大学や良好な住環境、整備された公園、利便性の高い交通網など、まさしく文教住宅都市に相応しい、住みやすいまちです。実際、市の資料によれば、西宮の良さについて、半数を超える市民が、交通の便利さ、良好な住宅地、六甲山麓や甲山等の緑、夙川等の河川沿いの景観を選択しています。
しかしその反面、2017年を契機に西宮の人口は減少に転じており、さらに高齢化しています。2050年には、阪神地域では16%の人口が減少するとも言われており、全国的な人口減少・高齢化の流れに飲み込まれることが想定され、まちの活力を維持・向上させるためには何らかの対策が必要です。また、AIや自動運転技術等の進歩により、交通の利便性がこれまでのような高い訴求力を持たない状況となることが想定されます。
確かに、西宮は住みやすいまちです。しかし、将来を見据えたとき、今の住みやすいまちの状況に慢心すべきではありません。西宮というまちが、将来においても人々から選ばれるように、活力あるまちであり続ける必要があります。
西宮では、市内在中の就業者20万人の内、半数を超える約12万人は市外で従業しており、活力あるまちを実現する手法として、西宮の地域経済をより活性化させる余地は十分にあるように考えられます。現に、市の主要課題の一つとして、住宅都市としての価値を未来に引き継ぐことと併せて、「まちの魅力ある資源を生かし、市民文化を発信する」として、自然環境や歴史、市内企業、地場産品等の魅力ある資源が発掘されて、生かされることが望ましいとされています。現状に甘んじるのではなく、西宮の魅力を生み出し続けることにより、人々に選ばれるまちとして、持続可能な発展を遂げることができるのです。
西宮のまちの魅力を誰かが与え続けてくれるのをただ期待するのではなく、一人ひとりがまちの創造者として、西宮の魅力は何なのかという西宮のまちの価値の本質に迫り、価値を創出し続けなければなりません。人々は価値あるものに魅力を感じるのです。価値は、他と違うところに生じます。西宮の価値の根源は、西宮ならではの風土や文化、歴史の他、日々の暮らしにあるはずです。それらに着目し、まちに根付いたストーリーを発掘し、まちの内外の人々からの共感を得て、まちの活性化につなげることが必要です。
一例として、宮城県気仙沼唐桑というまちがあり、そこは三陸リアス式海岸の中央に位置しており、入り江では牡蠣などの養殖が盛んな場所でした。しかし、東日本大震災による津波により、入り江もろとも全てが破壊されました。まちを再生させたいとの想いから立ち上がった漁業関係者が、これまでの養殖のやり方に戻すのではなく、通常よりも多くの期間と手間をかけた「もまれ牡蠣」を創り出しました。さらに、「森が海を育てる」との想いから植林を実施し、林業関係者や地域の人々を巻き込んだ運動を展開しました。「もまれ牡蠣」には、まちが変化を余儀なくされた状況とそれに対する漁業関係者の想いが込められており、それがストーリーとなり、他業種の人々や地域の人々を巻き込み、その結果、まちの内外の人々の共感を生み出しました。こうして「もまれ牡蠣」は、たんに高品質な牡蠣というだけではなく、まちの内外から人々の共感を得たことで新しい価値となり、市場でも高評価を得て、まちの活性化につながりました。
このように、起点となる人の想いを形にし、根底に流れるストーリーを活用して、まちの人々や行政、大学、各団体を巻き込んで運動の源をつくり、まちの内外の人々から共感を得ることでより大きな運動となり、まちの発展に寄与するのです。私たちは、これまで、まちの人々や行政、大学、各団体を巻き込みながら、まちづくりを進めてきました。私たちだからこそ、一人ひとりがまちの創造者であるとの意識を持ち、西宮のまちの価値の本質に迫り、西宮にまつまる人の想いをストーリーとして活かして、新たな価値を創出することができるはずです。住みよいまち西宮に感謝しながらも、将来を見据えて、今こそ行動を起こすのです。
そこで本年度は、青年会議所がハブ役となり、市民や行政、大学、各機関とも連携しながら、西宮のまちに根付いたストーリーに紐づけされたまちの新たな価値の創造をテーマとした取り組みを行います。
青少年~輝く個人を創る~
青少年は未来のまちを創る存在であり、青少年の育成は、まちの未来を創ることと同義であるといっても過言ではありません。「青少年をどのように扱うかほど、その社会の本質を鋭く明らかにするものはない」(ネルソン・マンデラ)との言葉にあるとおり、青少年の育成においては、青少年が置かれた現状を踏まえながら、私たちが目指す社会の本質を見極め、それをつないでいくことが必要です。
青少年が置かれた現状については、“同じことを同じようにする”といった枠にはめこむ形の同調圧力に生きづらさを感じている青少年が増えており、その結果、自分はどうありたいのか、何を成し遂げたいのかという夢を持ちづらくなっている状況にあると言われています。“同じことを同じようにする”という場面では、与えられた課題をいかに効率的にこなすかという点に意識が向き、与えられた課題さえしていれば良いという一種の思考停止に陥ってしまいます。そのため、“自分はどうありたいのか”、“何を成し遂げたいのか”という自分の夢を発見するために必要な能力が十分に養われない恐れがあるのです。
一方、私たちが目指す社会は、明るい豊かな社会であり、それは、まちに住む全ての人々が笑顔で生きがいを持ち、自らの夢や目標に挑戦しづけることができる社会です。そのため、私たちが目指す社会の本質とは、一言で言えば、生きがいを持つことや自らの夢や目標に挑戦することを意味します。夢や目標と言うと具体的な職業をイメージがしがちですが、それらはあくまでも一つの外観的な結果であり、ここで言う夢とは、本来、“自分がどうありたいのか”、“何を成し遂げたいのか”、を指します。実際、西宮市においては、「夢はぐくむ教育のまち西宮」を教育推進の理念として掲げ、教育大綱によれば、たくましさとしなやかさを持った、未来の西宮、そして未来の世界に向かって生きる人間を育てるまちを目指しています。
そこで本年度は、家庭や学校、各機関とも連携しながら、“自分はどうありたいのか”、“何を成し遂げたいのか”という自分の夢を発見するための能力とされている、自ら考えて判断し行動する自律力、多様性を尊重したコミュニケーション能力、そして問題を解決し新たな価値を生み出す創造力をテーマとした取り組みを行い、これらの能力を育むことで、自らの可能性に気づき、ありたい自分や成し遂げた自分の実現につなげられる契機とします。
国際~異なる価値観を彩りに変える~
冒頭の倒木の話は、私が2020年の国際アカデミーに参加したときに紹介された動画を基にしています。青年会議所は、全世界の100を超える国や地域にあり、約15万人もの会員が、冒頭に述べた同じ意識を共有しています。このように、私たちの同志は、世界中にいるのです。全世界に張り巡らされた国際的なネットワークは、青年会議所の魅力の一つとも言えます。
さらに、西宮青年会議所は、マレーシア・クアラルンプール青年会議所、香港・ドラゴン青年会議所と姉妹締結を結んでおり、相互訪問や国際会議の場での交流会、各事業を契機とした交流体験を行い、思い出を共有できる関係性を築くことで、会員に対し、言語の壁や国境を超えた友情を感じることのできる機会を提供します。異文化間で育まれる友情は、その人に全く新しい考え方をもたらし、人生における大きな糧となります。
また昨今、世界では価値観の違いから生じる対立がより鮮明に生じており、海外の国や地域と協力して取り組むべき課題は山積しています。またグローバリゼーションが浸透している現状においては、既に様々な分野で国境を越えたやり取りが行われており、異なる価値観を有する個人や団体との対峙が避けられない状況となっています。私たちは、このような世界の状況でも力を発揮でき、活躍することのできる人財となるため、異なる価値観を理解する必要があります。ある事象に接したとき、その事象に対し、そもそも何が課題であると考えるかは価値観によって異なり、課題解決の手法やアプローチの仕方が全く異なることがあります。2020年に私は国際委員⾧として、香港・ドラゴン青年会議所主催のハッカソン事業に参加しましたが、西宮のチームは、路上のゴミ問題を社会課題として捉え、それを解決するための手法としてGPSを利用したシステムを構築しました。ゲーム感覚でゴミを拾いながら、最終的には拾ったゴミを利益として還元できるというもので、持続可能性のある素晴らしい内容であると私は思いました。しかし、香港の人々の中には、路上ゴミは業者によって回収されれば良いものであって、それが社会課題として位置づけることが難しいということがありました。このような異なる価値観から来る考え方の違いを理解することは、価値観の善し悪しではなく、多角的な視点を持つことにつながり、思考の幅を広げるものとなります。
そしてこのことは、西宮という一地域における社会課題においても、これまでの考え方に囚われることなく、新しい視点で課題を捉えることができるようになり、柔軟な発想を生む素地となります。
本年度は、交流体験を通して思い出を共有できる関係性を築くことで、国境を超えた友情を育み、異なる価値観を理解することのできる取り組みを行います。また、世界に広がる青年会議所のネットワークを実感できるような活動を実施して参ります。
交流~輝きを増すために~
まちのために共に運動を創ろうと考える同志がいたとしても、会員間の交流が疎かになってしまっては、コミュニケーションが取れず、効果的な運動や活動はできません。青年会議所の運動や活動を力強く推し進めるためには、在籍年数の枠を超えた会員間の交流を促し、会員が持つ個性に触れ、それらが結び合うことで、相互に切磋琢磨し、刺激を受けながら成⾧し続けることが必要です。特に西宮青年会議所の事務局が移転したことに伴い従前のコミュニケーションが取りづらくなっており、会員間に一定の距離感が生じている今、例会後の懇親会での委員会登壇、合同委員会の開催等、積極的に交流を図る仕組みを設けます。
また、私たちが青年会議所運動や活動に果敢に取り組むことができる背景には、周りで支えてくれている会員の家族の理解と献身的なサポートがあることを忘れてはなりません。私たちは、愛する家庭と尽くすべき仕事の次に青年会議所の運動や活動があることを認識し、家族に感謝する機会を持ちます。サポートしてくれている家族との結びつきがより強くなることで、私たちはさらに力強く青年会議所運動や活動に邁進することができます。
そして、西宮青年会議所は、国内において、一般社団法人函館青年会議所、一般社団法人浪江青年会議所及び南双葉青年会議所と姉妹締結をしています。また他の青年会議所とも友好を深めています。各地域の社会課題に立ち向かう同志がそれぞれの想いを語り合い、同志としての結びつきを強くすることで、相互に感化され、より高みを目指す意識が醸成され、輝きを増した団体となります。
さらに、兵庫、近畿、日本を拠点に活動する西宮青年会議所の会員を支援することにより、当該会員が十分に活躍をすることができ、その結果、各組織との結びつきが強まり、各スケールメリットを生かした学びが西宮青年会議所にもたらされ、より西宮青年会議所の運動や活動がさらに磨きのかかったものとなります。
本年度は、会員の交流に向けた積極的な仕組みづくりに加えて、家族への感謝を伝えると共に、国内姉妹青年会議所の会員との交流及び各フィールドで活躍する西宮青年会議所の会員の支援し、さらに輝きを増した組織へと押し上げます。
広報渉外~輝きを放つ発信~
広報渉外は、西宮青年会議所の情報発信を担う「広報」と、西宮青年会議所と他の組織との連携及び会務の円滑な遂行を担う「渉外」により構成されます。さらに広報は、西宮青年会議所会員以外に向けた情報発信としての「対外広報」と、西宮青年会議所会員のための情報発信としての「対内広報」から成ります。
まず、対外広報について。私たちの運動は、自分たちのみで完結するものではなく、行政やまちの人々を巻き込み、共感の連鎖を生みだすことにより社会課題を解決することにあります。そのためには、私たちの運動を、まちの人々に知ってもらうことが必要不可欠であり、広報活動は青年会議所運動の生命線であると言えます。西宮青年会議所として、会員一人ひとりが想いもって運動や活動に取り組み、まちの人々が共感を受ける様子を積極的に広報すべきであり、対外広報は、例会や事業実施の一翼を担っているものと自覚する必要があります。併せて、対外広報が、西宮青年会議所のブランディングを形成し、会員拡大に寄与するものであることも忘れてはなりません。もっとも、SNSが普及し、誰もが情報の発信者となることができ大量の情報が流れている中、人々の目にとまり関心をもってもらうための広報の戦略を今一度研究し直す必要があり、各SNSの種類の特性やターゲットを踏まえて、タイムリーで効果的な広報戦略を立てて、実施して参ります。
また、対外広報の一つとしての賛助会員は、まちの店舗や企業に私たちの運動や活動を知ってもらい、応援していただくことに主眼があり、結果して賛助があるに過ぎません。賛助会員となっていただくことで、私たちにとっては、私たちの運動や活動をより知っていただくことができ、さらに共感していただくことで、私たちの運動や活動の輪を広げることができます。加えて、経済的にも応援していただくことで、賛助会員側においても、私たちの運動や活動を通して、間接的に明るい豊かな社会の実現の達成に向けて一役を担っていただくのです。賛助会員には、賛助会員様のホームページ向け広報ツールの提供や、事業チラシでの賛助会員のロゴの掲示等、目に見える形で賛助会員が社会貢献に寄与されていることが分かるよう工夫し、そのことを賛助会員のメリットとして感じていただけるよう、実施して参ります。
そして、対内広報については、委員会に伴走する広報を実施します。これまでは、例会や事業の少し前に告知する内容の案内が流れ、同志である会員の意気込みや熱意などをあまり感じないまま、出欠の判断をしていたのではないかと思います。しかし、どの例会や事業も、考えに考え抜いた議案を作成し、開催のぎりぎりまで、参加する会員のために作り込みを行っています。広報が、前段階から担当する委員会の意気込みや熱意を会員に伝えることは、例会や事業への参加を促進する効果を生み、また担当委員会の士気向上にもつながり、会全体としての活気につながります。
会員一人ひとりが青年会議所運動及び活動において各自の色を持って輝く主体であり、私たち一人ひとりが輝きを放つ様子を対外・対内に発信します。輝きを放つ広報は、人の心を魅了し、さらなる運動への共感、ひいては会員拡大につながります。
次に、渉外について。西宮青年会議所は、日本全国で5番目にできたLOMであり、日本青年会議所の設立に関与したLOMとして「チャーターLOM」と呼ばれています。他の青年会議所組織との連携において、西宮青年会議所がチャーターLOMとしての誇りと自覚を持ち、全国大会等における参加促進等を含めてその名に相応しい対応を行います。
また、他組織との連携としての防災・災害支援について。西宮では1995年阪神淡路大震災を経験しましたが、それから約28年が経過し、大地震を直接経験していない世代が増えてきました。他方で、政府の委員会によれば30年以内に70%~80%に南海トラフ巨大地震が発生するとも言われており、不測の非常事態に対する備えは不可避な状況です。まず「防災」として、大規模災害時に特命組織を立て上げ、行政及び各種団体と連携、調整を行います。西宮青年会議所は、2021年12月、西宮市社会福祉協議会との自然災害発生時に関する協定を締結しており、当該協定に基づき、同協議会と連携しながら災害ボランティアの支援等を行います。また「災害支援」として、西宮は被災していないが他の地域が被災した場合には、現地のニーズを確認するなどして効果的に適切な方法で支援に係る行動を行います。阪神淡路大震災のときに、全国から多くの支援をいただいたことを胸に刻み、私たちは率先して行動します。
総務~輝きの根底~
私たちの団体は、「西宮青年会議所」という名のとおり、会議を行うことによって、はじめて運動や活動を行うことができます。会議なくして、私たちの運動や活動はあり得ません。
総務は、西宮青年会議所における会議の開催、運営を司る部門であり、私たちの運動や活動の全てを支える根底なのです。
そして、厳正で充実した会議を行い、法令や青年会議所内のルールを順守して適切かつ公正妥当な運用を行うことで、私たちの運動や活動はまちの人々から支持され、社会的信用を得ることができます。単年度制でありながら、組織としての一体性、連続性が確保され、安定した組織運営につながります。西宮青年会議所が設立から73年にわたり、どのような困難なときも歩みと止めることなく運動を展開してきた背景には、先輩諸氏が築かれてきた伝統への尊重と規律の遵守があるのです。
事務局移転に伴い限られた時間内に充実した会議を行うため、事前意見制度等の工夫を講じると共に、会議中の一刻は全員で共有しうる貴重な時間であるとの意識をさらに高め、質の高い会議設営を行います。
結びに
私は、生まれも育ちも現在の住まいも西宮で、西宮のまちが大好きです。そのような西宮のまちは、きっと先輩諸氏が尽力され、行政や市民と共に創り上げてきた賜物だと感じます。
私は、これまでその恩恵を受けてきました。
今日のように楽しい日が、明日も明後日も続けばそれで良いのではないかと言えるかもしれません。しかし、西宮のまちにも、巨大な倒木があるとしたら、あるいは巨大な木が倒れかかっているとしたら。
私は、大好きな西宮のまちの人々のために、持てるだけの英知を結集して、信頼できる仲間と共に立ち向かい、共感した行政や人々を巻き込みながら、倒木を撤去するための運動を展開したいと思います。もちろん、自分や愛する家族、大切な友人のためでもありますが、それだけではなく、名前も知らない誰かのためでもあります。
なぜなら、その名前も知らない誰かが将来青年となって、今の私の様に恩恵を受けていたことに気づき、今度は、別の倒木が現れたときに、勇気をもって自ら積極的に歩み出て、果敢に立ち向かってくれるものと信じているからです。そのようにして、青年会議所の歴史は、73年の⾧きにわたり脈々と受け継がれてきたのだと思います。
青年会議所は、40歳までの青年にのみ参加を許された組織です。限られた時間しかありません。青年としての発展と成⾧の機会をつかむのは他の誰でもなく、あなた自身です。
私は、西宮青年会議所の会員一人ひとりが、品格ある青年として、各自が様々なフィールドで活躍しており素晴らしい個性を持っていると思っています。そして、これだけの素晴らしい個性が集まった団体であれば、まちの未来を良い方向に導くことができると本気で思っています。どのような大きな倒木でも振り払うことができると信じています。そのためには、会員一人が、西宮青年会議所というフィールドにおいて、自ら精一杯光り輝いて欲しいのです。それぞれ環境の中で、自らが光り輝くために行動を起こして欲しいのです。
西宮青年会議所の会員であることに誇りを持ち、自らの意思でまちのために共に力を尽くすとき、その特色ある個性は光輝き、西宮のまちは会員一人ひとりの特色ある個性によって、鮮やかに彩られると信じています。
さあ今こそ、仲間と共に勇気をもって、自ら積極的に歩み出て、まちのために果敢に立ち向かおうではありませんか。
今こそ、動くとき
~個性が輝き、彩り溢れる西宮を創ろう~