理事長所信

先見之明
~独創をつなぎ共創で挑む~
はじめに
想い描く西宮の未来像
西宮はこれまでの天災から教訓や知恵を集め、自然災害に強く安全で安心に暮らせるまちになっています。多様な背景を持つ誰もが地域の一員としてつながり、お互いの信頼関係のもと地域や市民生活をより良くするためにいきいきと活動しています。また、若者が多種多様な人々との関わりから学んだことを地域の中で生かす環境が整っているまちになっています。そして、地域への愛着と誇りを持ったまちづくりの主体が共創することにより、西宮の魅力に共感する市民が増え西宮で暮らしていることの価値に気付き、住み続けたいまちとして栄えています。
西宮青年会議所70年の歴史の中で我々は共に向上し合い、社会に貢献し、明るい豊かな社会の実現という理念のもとJC運動を行ってきました。先人たちがJC運動を展開し始めたころと比べると日本は豊かになり、我々に求められるものは大きく変化してきています。70年の長きにわたる時間の中で、西宮青年会議所はその時々の課題解決に果敢に取り組み常に将来を見据えて歩みを進めてきました。この節目の年に先人たちの覚悟と気概を受け継ぎ、さらにその先の幸せな西宮を創造していくことこそが我々現役の務めであることは明らかです。西宮青年会議所メンバーとしての誇りを胸に、「sustainable」(持続可能)なまちづくりを実現するため、先見之明を持って先人たちに負けない覚悟で挑んでいかなければなりません。
我々はまちから頼られる団体として明るい豊かな西宮の実現に向けて、多様な人材が活躍できる環境づくりを重視し、各種事業を展開していきます。現代社会において、一組織の偏った考えだけでは課題解決に至ることは難しく、青年会議所が市民と手を取り合って課題に向き合い、解決方法を考えていくことや新たな事業モデルを作っていく取り組みが有効であると考えます。課題の解決に対し共に当事者の立場で同じテーマを共有し、知恵を出し合い議論していくために、そこに参加する誰もがそれぞれの役割を果たし自律的にリーダーシップを発揮できる環境整備が必要です。また、より効果的に運動を展開するために、青年会議所が他団体と連携、協力して解決していく取り組みや、課題に向き合いアイデアを出し合うことで新たな価値を生み出していこうという、パートナーシップの意識がなくてはなりません。各種分野において独創的な見解を有する個人や団体を集め、新しい組み合わせを作り出し、これまでに無い新たな価値を共創することで、あらゆる課題解決に向けた対応をとり、社会的に大きな変化を起こします。
Sustainable Nishinomiya JC(頼られ続ける西宮青年会議所)
住み続けられるまちづくりは必須課題であることは言うまでもありません。しかし、福祉や子育て支援などの行政需要の増大が予測される一方で、少子高齢化の進行により税収の伸びが見込めない状況では、行政による公助のみですべての需要に対応することは非常に困難です。したがって、すべての人材がそれぞれの立場で持てる限りの能力を活かすことができるよう自助・共助・公助のバランスがとれた環境を目指していく必要があります。
阪神・淡路大震災から25年の歳月が流れ、当たり前の日常が変わってしまったあの日のことを風化させないために、次の世代に伝えていくための取り組みを行います。いつか必ず来る天災による被災者を一人でも減らすために、今の自分に何ができるかを考える機会を新しい切り口で提供します。普段から備える重要性を認識してもらい、実際に体験しながら楽しく学ぶプログラムを通して防災意識の醸成を図ります。特に、若年層には災害に対する知識を深めてもらうことで、高齢者などの災害時要援護者に対する理解を高めることや、各地域におけるこれからの防災リーダーとして、地域住民の中心となって防災活動を担ってもらえるよう動機付けします。市民意識変革を謳う我々西宮青年会議所が、共助の精神によ って人々が主体的に支え合う活動を促進し、市民がつながるまちづくりを率先して形にしていきます。
また、創立から70年目の本年は「明るい豊かな社会」を創ってこられた先輩諸氏に敬意を払い、会員全員で未来へ持続させるための運動を展開していく決意を新たにする必要があります。我々が生きているこの時代は、先輩諸氏が常にその時々の社会問題に向き合い情熱を捧げてこられた69年の歴史が築きあげてきたものそのものです。先輩諸氏、全国の同志、関係諸団体の皆様、我々を支えてくださっている多くの方々に感謝を伝え、未来の西宮をより良いものへと導きたいという我々の決意とその運動に共感してもらい、より一層の信頼を築くことを目的とし、新たな時代への期待が膨らむ周年記念式典を執り行います。
Sustainable community(理想的な地域社会像)
求められるまちづくりとは何で、我々ができるまちづくりとは何かを考えるために、まちの未来を創造し、過去から現在の変化をまとめ、未来ではどのようなことが価値となるのかを考える必要があります。今年度の西宮青年会議所では、西宮の様々な価値を創造し発信することにより西宮に訪れたいと思う人、このまちに住み続けたいと思う市民を増やすことに注力します。誰かが決めたものを価値とするのではなく、これからの社会には何に価値があるのかを見出し、その価値を創りあげていく。すなわち、価値をデザインするまちを創っていかなければなりません。どのような価値を誰と創り上げ、誰の心に深く突き刺さるのかを考え行動すること、まさに、先見之明を持ち行動する組織であることが西宮青年会議所の役割ではないでしょうか。
新しい価値を創造するための前提は、多様な個人と多様な価値観を許容し、包摂する社会です。西宮青年会議所は、様々なメンバーから構成されていますが、女性、子供、障害者、高齢者などの視点が不足しているのが現状です。また、様々なステークホルダーとお互いに有益な関係を今以上に密にしていく必要があります。このような現状を改善するには、市民一人ひとりが主役となり行動することが求められます。そのためには、市民を感化し、市民に目的意識を与え、社会に影響を与えていかなければなりません。市民との共創に重きを置くことで、様々な人々が西宮の未来を考え、問題を発見し、その問題解決に関わり続けられる機会を創ることができれば、市民の意識変革を達成することができ持続可能なまちづくりを実現できると確信しています。
何か未知のものを見つけたり、独創性がある人に出会ったりすると、人は「それは何だろうか」、「どうしてそんな生き方をしているのだろうか」と疑問を抱き、問いかけ、答えを知りたくなるものです。地域の課題に目を向けてもらうための問いは、人がその課題に興味・関心を抱き解決したいという好奇心や解決心を掻き立てるために非常に有効です。求められるまちづくりは、そこに暮らす地域の住民が参加し、対話を通じてまちの姿を描いていくことで地域のコミュニティの力となって、新たな価値を創出することであると考えます。
Sustainable youth education(人間力養成)
現在の西宮は良好な住環境や豊かな自然環境を有し、子育ての環境や子供の教育の場も整っているまちですが、未来の西宮でもそれらの豊かさを維持していくことは簡単なことではありません。西宮の未来を明るいものとするためには、まちの次代を担う子供たちへの教育が不可欠です。青年に成長していく過程の中で、自らの意志で将来の進むべき道を選択し、課題を見出す能力を高め地域の中で問題解決する行動を実践できるようになれば、西宮の未来は明るいものとなります。しかしながら、その主役となるべき若者たちが、学業を終え他地域へと赴くことは少なくありません。社会に出るまでに生活してきたこの地域のために、何か力になりたいと思えるような郷土愛の醸成をすることができれば、その精神は間違いなく持続的なまちづくりにつながります。
そこで、我々の運動を若者目線で考え実行してもらえる仕組みを作ります。若い力が未来を創るという意識の醸成により、地域に対しての誇りや愛情を兼ね備えた行動を促進し、西宮発展のために活躍する青年へと成長していく環境が構築できます。それにより、JCの認知度を上げるとともに、将来のまちを牽引するリーダー育成が可能となります。また、子供たちには世界の仕組みや在り方を知る機会を提供します。変化の激しい世界を生きていくには、子供たちが少しずつでも世界に目を向けていくように我々が取り組んでいく必要があると感じています。新しいことは実践しなければ身に付きません。多種多様な人々と関わることができる場に自分自身をさらけ出し、体験や経験による学びを得てもらいます。多様性の中に身を置くということは、異なる視点を学ぶことであり、一つの物事を多面的・多角的に考察することができるようになります。リスク回避が優先されているような教育では柔軟性に欠け希望がもてません。学校教育で養った基礎の上に、何事も自由に実践できる流れを提供できれば、子供たちが広い世界で活躍できる人財へ成長すると確信しています。我々の運動は、子供ならではの独創的な発想で夢のある西宮を創造してもらい続けることに直結します。
持続可能な社会創りを実践していくうえで、教育は重要な役割を担っています。社会が持続可能であるためには、人々がお互いに異なる文化や価値観を尊重し合うことによって平和で民主的な社会を構築することが必要です。子供たちの中にも市民としての意識を生み出し、社会正義や倫理の問題に敏感になるとともに、経済活動や社会活動に参加するうえで求められる知識・スキルを身につけ、それらを十分に活用できるようになることが大切です。さらには、国内外に存在する様々な問題に注意を払い、学びを通してそれらの問題の解決策を考えていくことが重要です。
Sustainable partnership(共存共栄)
持続可能性に関する社会課題は、一つの問題に限らず様々な問題と関連し合っています。それらの問題を解決していくには、行政、企業、市民などとの協働的取り組みが不可欠です。関係諸団体、行政関係者をつなぎ、牽引し、明るい豊かな社会の実現のために手を取り合い、目的達成に向けパートナーシップを活性化させていく必要があります。また、我々自身が広い見識を養わなければなりません。青年会議所の醍醐味である世界中での出会いの機会を利用し、他地域での同志との交流を通して新たな価値観にふれ、世界の中の西宮を自覚する必要があります。
「グローバリズム」「海外市場での競争」「グローバルスタンダードの導入」など、グローバル化が日本に必須であるような話をよく聞く一方で、世界各地でグローバリズムに対する反対の動きが高まっているのも事実です。自由な市場競争や民主主義等の特定の価値観は、実は脆い部分を有しており決して普遍的なものではないという事実に人々が気づき始めたからではないでしょうか。平和、平等、自由な表現はもちろんですが、自国を愛する心や自国の文化を大切にする心は人類の普遍的な価値の一つであると考えます。その価値を高め未来の西宮が持続可能な成長と発展を達成するためには、グローバルなパートナーシ ップと協力に向けた強い決意を固め、独創的な意見を受け入れる寛容性を持ち、共に新しい価値を創り出すことができる人財を育てていかなければなりません。海外には日本の価値観と違う部分が多々あります。そこには色々な感性が混じり合っており、それらを比較することでそれぞれの良さがわかります。個人の経験やこれまでの人生での活動においても、外部の人やその人の人生、生き方を知ることでより高められ、自分と比較することから自分自身に足りていない必要なものを学び、目標を見出すことができます。新たな人、体験に出会うとあらゆる可能性が芽生え、それを機会と呼ぶとすれば、その機会を創出する必要があります。すべては知ることから始まるからこそ、もっと多くを吸収して、より良い人生の経験を積まなければなりません。
先見之明を持ち西宮がどうなるべきかを考え行動に移すことは、自らの殻を打ち破る成長のきっかけとなります。それにより、広い視野を養い、自分たちを支えてくれている人たちを幸せにする人間力を磨き、豊かな人間関係を構築することにつなげます。
Sustainable member learning(貢献し続けるための学び)
より良いまちを創るということはとても壮大な我々の目標です。その第一歩がひとを創ること、すなわち拡大育成活動です。西宮青年会議所の未来を創る新会員の育成はまちづくりに大きく寄与することになります。新たな仲間たちには、他団体との違いを明確に理解し我々の運動の一翼を担う人財へと成長すること、未来に対して危機感を抱き責任感を養うこと、未来に希望を持って主体的に行動できるリーダーとして活躍していくことが求められます。
そのためにまずは、現役会員に拡大の重要性を理解してもらうことが重要です。市民の意識変革とメンバーの自己成長のために日々活動し、我々の運動の意義を広く社会に浸透させ、同志を拡大することはJC運動の根幹です。我々がまちのリーダーたる自覚を持ち合わせていなければ、まちを創るための議論など机上の空論で終わることになります。JCには自己研鑽に有効なプログラムが多数存在します。学びのコンテンツが充実しており、社業や普段の生活に活用できるので、多くのメンバーに受講してもらいます。また、LOM外のメンバーと違ったフィールドで沢山の経験ができる出向制度を利用し、人生においてかけがえのない時間を過ごし最高の学びを得てもらいたいと思います。これらの有益な機会をメンバーに提供し会員資質向上に取り組みます。
そして、ビジネスの世界でリーダーでもある我々は、社業を通して社会の役に立たなければなりません。我々の運動は国連に加盟するすべての国が全会一致で採択したSDGsと方向性を共有することができます。経営を担っている我々の中で、SDGsに対する理解が浸透することは、社業を通して今以上に社会に貢献でき、企業価値を向上させることにもつながると考えます。単に国連が採択した国際目標だからということではなく、どのような社会を次代に残したいのか、そのために2030年までに社業を通してどのような貢献ができるのか、それらを考えることが企業の存在と存続にとって大切です。また、今の子供たちが社会人となって働く時に、活躍の場である企業が明確な社会的使命を持っていることが、社会のためにも、働く一人ひとりの人生のためにも、極めて重要になることは間違いありません。過去と現在そして未来はつながっています。企業が社会と個人を結びつける役割を担うことでその関係性が何世代にも渡る持続可能なものとなる可能性は大きく飛躍します。
Sustainable revitalization(持続可能な組織活性化)
組織がうまく機能するには、メンバーシップの強化が欠かせません。メンバー各々が自身の役割を果たし、他のメンバーに協力し、主体的に行動することが強靭な組織を形成します。 青年会議所メンバーの成長に大きく影響を与えるものの中に、挑戦の場とそれを応援する環境があります。我々は目的達成のため仲間と手を取り合い挑戦の日々を過ごしています。同期や委員会の絆、またそれらの垣根を超えた友情がかけがえのない財産となります。より多くの仲間が挑戦できる環境を創出し続ける限り組織は発展していきます。
組織が柔軟な対応力を有し、より機能性を高めるには、所属するメンバーが各自の役割を自発的に果たすことで全体に貢献することが必要です。また、メンバーの男女比率が改善されることによりバランスのとれた役割分担が可能となり、組織を活性化させます。日本の青年会議所の女性比率は8%であり、世界の青年会議所メンバーの男女比率50%と比べると特異な構成であることがわかります。数年前から女性メンバー拡大に力を入れてきた西宮青年会議所の女性比率は約10%ですが、今年度は女性比率15%を目指します。これは各委員会に約2名の女性メンバーがいる割合であり、女性メンバーが意見を挙げやすい環境に変えていくことができます。性別による機会の亡失を防ぐことは今の日本社会にとっても、青年会議所にとっても、重視すべき項目です。ジェンダーの平等性欠落は、未来の西宮が抱える人口減少や少子高齢化に伴う労働人口減少、地域企業の成長の鈍化などの課題に横断的にかかわる課題であることがわかります。そして、女性メンバー拡大に弊害となっている事象の洗い出しを継続し、組織全体の環境改善につなげます。女性が活動しやすく、やりがいの感じられる組織を実現することは男性も含むすべてのメンバーにとっても活動しやすい環境を提供することになり、より拡大を成功させる強みとなります。
近年、青年世代の減少につれて減り続ける青年会議所のメンバー数を考えると、多様性の観点と持続可能な観点から若年層の拡大は青年会議所の発展の鍵になります。国内会員の平均在籍年数は4年であり、入会者平均年齢は34歳であるのが現状です。西宮青年会議所では既存会員の約半数が4年後には卒業者となります。社会で活躍できる人材を育成する組織であり続けるために若年層拡大は必須であり、その存在は我々の運動に大きな変化を起こす可能性を持っています。多様な人が平等に力を発揮できる社会を作り持続可能なまちづくりを促進することは、日本社会の生き残りの糸口になります。社会の縮図である青年会議所でジェンダー平等を促進し組織体制を変化させ、未来に向けた成功事例となるよう西宮青年会議所では女性・若年層の拡大を重要責務と捉え取り組みます。
Sustainable organization(揺るがない組織力)
これまでの歴史を振り返ると多くの方々のサポートがあったからこそ70年目を迎えることができたことは明白です。では何故これほどまでに多くのサポートを受けることができたのでしょうか。それは、その時々のメンバーが根気強く運動を展開し、市民、行政、各種団体から共感を得ることができた結果であると考えます。我々の運動は決して自己満足で完結するものではありません。より多くの共感者を得ることが大事です。
組織の根幹を成す事務方はLOMの模範となり、メンバーに発展・成長の機会であり青年会議所活動の根幹である例会の100%出席を継続して達成できるよう牽引していく立場にあります。一年の活動を通して全メンバーがさらに研鑽を積むために主導してもらいます。また、特別会員、他LOM、関係諸団体の多くの方々と接する機会に恵まれている環境を活かし、対外パートナーシップ構築をLOMの先導役となり形にしていかなければなりません。数多くの団体はそれぞれが独創的観点から社会に対する問題意識を持ち、その解決に向けて主体的に活動され、各分野に精通したネットワークもすでに持ち合わせています。我々の理念を理解してもらい共創することで青年会議所運動を加速させ、より多くの市民に運動を伝播することができます。そして、外部の最新情報を取得し各委員会へ展開することにより、LOM全体をサポートすることができます。LOM内支援の形ができあがることにより、メンバー同士の絆はさらに強固なものとなり、組織力強化へとつながり、この先の発展に寄与し、西宮青年会議所が頼られる団体として確立できると確信しています。
我々の団体が構築する事業は、財務、コンプライアンスが適正であることは大前提であり、西宮の明るい豊かな未来に向け、効果を最大限得られる内容にするために色々な観点で立案する必要があります。先にも触れたSDGsを意識することで西宮のひと、まちから頼られる団体として、会の方向性を明確にすることができ、西宮青年会議所のブランディング向上の一助となります。SDGsの実現方法には決まった解が一つだけということはなく、物事を有機的につなげながら統合的に思考する力や、想いとリソースを持った人々を業界の垣根を超えて結び付け、より良い方向を目指すプロデュース力をも鍛えることができます。我々は組織の成長を求め続けるとともに、将来の芽を摘むことなく多様な人々が自分らしく暮らしていける社会を実現するための運動を発展させます。
Sustainable movement(戦略的運動発信)
広報は情報の伝達先の行動を促進し、考え方を変え、さらなる活動のきっかけとなるような効果を生まなくてはなりません。西宮青年会議所の存在が西宮のまちの魅力の一つになるような広報を実現することができれば、市民の意識変革につながる起点にすることができ、共感者を生むことができます。そのためには、現状の広報システムを駆使するだけでなく、地域を発展させてきた姿が市民の心に響くような新たな広報の形を模索し、一年を通して効果的なタイミング、頻度で行わなければなりません。
70周年を期に西宮青年会議所運動はあらゆるステークホルダーとの信頼関係を築き、広報の分野でも共創していきます。西宮市内には多くの民間まちづくり活動団体が存在し、我々と同じくまちを想い活動されている市民の方々が大勢存在しています。そのような人たちのことを積極的に知ろうとする行動が青年会議所の認知度を高め、存在意義の理解につながり、青年会議所運動を広く市民に浸透させることができると考えます。西宮青年会議所の広報は、持続可能な運動を実現するために地域社会と共に成長し、いかに社会の課題を解決できるのかを追求し、強く深い信頼関係を築くことのできる未来を目指します。また、事業活動の質向上のために、自分たちの仲間が汗をかき、時には頭を抱えながら事業構築している様を全メンバーが共有する内部広報を積極的に行うことで、仲間を想う心をさらに醸成し組織力強化につなげます。そして、最終的な目的を明確にしながら戦略的広報を行うため、商業的な広報に見られるような大規模な広報活動から学び実践することも重要です。動画中心のサイト構築や外部媒体とのタイアップ、専門業者の力を借りたより効果的かつ持続的な広報により、西宮市民に一番興味を抱いてもらえる広報媒体を創作します。延いては会員拡大に良い影響を与えることが期待できます。インターネットやSNSが普及し続ける現代において、会の魅力を市民目線で伝えていくことで広報による会員拡大を増加させます。
また、これまで築いてきたマスメディアとの連携体制をより強固なものにします。我々の運動を理解し共感してもらうことができれば必ずメディア側からのアンテナがこちらに張られます。逆に、メディアが興味を示さない事業はまちから求められているものと乖離しているということかもしれません。我々は未来を考え運動している団体として、どのようなことを行っている団体かを知ってもらうだけの広報ではなく、課題と目的を明確にし、運動の本質を理解してもらうことが重要と考えます。
むすびに
「第二次世界大戦後の混乱をのりこえて、明るい豊かな社会を自分たちの手で築き上げたい。」と西宮の青年たちが立ちあがり、1950年(昭和25年)西宮青年会議所が誕生しました。その翌年「新しい日本の再建は我々青年の仕事である。」という覚悟のもと、日本青年会議所が誕生し、西宮青年会議所八木弦三郎先輩を含む日本青年会議所代表団がJCIへの正式加盟を実現させました。日本青年会議所チャーターLOMである西宮青年会議所は70周年という節目の年を迎えるにあたり、歴史ある団体として、これからの西宮や日本をより明るく豊かにするために、社会課題を対処的解決ではなく根本的解決の視点で運動を推し進めていかなければなりません。我々は決して属する組織に垣根を作らず、視野を狭めることなく社会を広く捉え、先見之明を持って「共に創ること」「持続可能な仕組み作り」を実行していきます。
別々の感性や力を持った人が力を合わせ、これまで多様な役割と使命を実現してきた社会や組織が新しい連携を深めれば、我々の目指す社会に大きく近づきます。我々は、多くの人との関わりを持ち、それら人々の独創をつなぎ共創できる環境を作り、パートナーシップの意識を持つことで運動を推進します。そして、これまでの歴史と経験をもとにこの先求められるものを形にしていくために、現代世代と将来世代が共に一つの目標を共有し、考え、発見し、アクションにつながる場を我々が創り、様々な変化にも対応し続けることのできる組織として持続可能な仕組みを築き上げます。想いや活動をその時々のブームで終わらせることなく、持続可能な社会の担い手を我々の手で増やし、未来を担う様々な人々が共通の目標のために横断的に力を合わせる仕組みを作ることにより、西宮青年会議所は未来を託される組織に成長したいと強く思います。
「メンバーは宝です。メンバーがいないと私たちの持つ高い志を形にすることは困難です。メンバー間の先入観を取り除き、個々の個性や特徴を把握し、本気を伝播する。できる人材を集めるのではなく、できる人材に育てることは我々の責務です。」
私が西宮青年会議所に入会した年に人材育成をテーマにした現役会員向けの例会で話した内容の一部であり、今も変わらない私の信条です。この素晴らしい団体で多くの仲間から沢山の気づきと学びをいただきました。仲間の存在は活動意欲の源泉です。汗を流し必死に頑張る仲間の姿に心を打たれ、私も負けまいと走ってきました。そのような経験は私の人生を豊かにしてくれました。西宮青年会議所メンバーには青年会議所活動を通して体感してもらいたいと心から思います。
仲間を信じ、互いを高め合いながら未来を描こう
先を見抜く見識を広げ、行動を少しずつ変え、
多様な立場の人たちと新しい価値を「共」に「創」りあげよう
そして、輝く西宮の未来を生み出そう